お寺の役割/成田淳教
先日、埼玉県で起きた動物遺体遺棄事件に関連して当寺にも数社のマスコミが取材に訪れました。その取材に答える中で自分自身「お寺の役割」について考えさせられました。例えば一人の人間にも夫としての役割があったり、親としての役割があったり、社会の中での役割があったりするように、いろいろな関係性の中で役割というものは変わってきます。そうした中で、ご先祖のご供養であったりペットのお葬式や法事であったりお寺にお参りにみえる方々にとってのお寺の役割とは「安心を提供すること」であると考えました。特に亡き人やペットの死後や来世に関する安心、先ずは荘厳な法要儀式を通してご先祖やペットのご供養をすることによる安心、仏教の教えや因縁に基づき死後来世の把握をし、それを参詣の方にお話しし安心して頂くことが大切な役割です。
ある取材の方に「お寺には2種の安心がある」という話をしました。亡き人やペットが安心することと遺族が安心すること 「本堂を開けると、いつでも線香の香りが溢れているお寺にしたい・・」たくさんの方がいつでも気軽にお参りできるお寺にしたいという意味で言ったのだと思います。お参りに来られる方々は、何かしらの想いを持ってお参りされるのです。先祖の事、家族の事、自分の将来の事・・