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連載記事

有識者よりコメントを頂きました。

2009年1月 ご法話

命の重み
うちのお寺は山の中にあります。境内に車を止め本堂裏手にあるペットの火葬場までは緩やかな坂道を30メートルほど上ってもらうことになります。
小型犬や猫程度の重さですと、みなさん大事に大事に愛しい我が仔を抱えるようにして上って参ります。中型犬並の大きさですと大人二人で、あるいは一人でも運べますが息は荒くなります。大型犬ともなると家族で協力して運んでも一仕事です。
つめたいと思われるかもしれませんが、特に支障がない限りは必ず飼い主様ご自身の手でペットを運んで頂いています。
元気な時は、あれほど身軽に走り回っていたペット達も、永遠の眠りについて全身の力が抜け落ちてしまうと、以外にも重く感じるものです。

坂道を上りながら、最期のお別れまでの僅かな間、当寺ではあえてその重みを飼い主様に感じてもらいたいのです。
「あんなに大きな存在だったのに、以外にもこんなに軽かったんだ」と思うかもしれません。また反対に「いつも家族の中にいて当たり前のような存在のこの仔はこんなにも重たかったんだ」と思うかもしれません。
愛する我が仔の重みを、最期にしっかりとご自身の手で感じて欲しいのです。そしてその体重の重みと同時に、たくさんの思い出や愛情の重みをも受け止めて欲しいのです。なぜならその重みは紛れもなく我が仔の命の重みの一端であるからなのです。

松永寛道
動物供養協議会 理事
曹洞宗宗徳院住職 
松永寛道
静岡県静岡市清水区興津本町363
http://www2.wbs.ne.jp/
~yamndera/


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