はじめに
この10年の間に、人とペットとの関わりは随分様変わりしてき たように思われます。所有物・愛玩動物としてのペットの役割から、 「アニマルセラピー」と呼ばれるように、医療の現場にも動物達が脚光 を浴びることも増えましたし、人間同様に寝食を共にし、テレビの視聴 や買い物などのお出かけにも欠かせないパートナーとしての、「コンパニオンアニマル」と称されるほど、人間の生活に深く密接に関わりを結ぶペットも多く見受けられます。しかし、ペットに関わる世界には二面性があるのが現状と考えます。 ペット愛好家からすれば無くてはならない存在ですが、ペットを飼われていない家庭から見れば、ペットの騒音や糞尿の被害など、立場が変わればその悪い反面も露出してきます。
そこで見方を変えてこの地球上に共生する「命」という繋がりに目を向けていこうというのが、この度立ち上げようとする「動物供養協議会」の狙いであります。
最近ペットに関わる業界では、同業種が集まりその業種の健全性を訴えかけている動きを目にしますが、これはペット愛好家に対するアピールにとどまっているように感じます。
「動物供養協議会」は、広く世間へ訴えかけペットを飼っている人、ペットを飼っていない人、全ての人に訴えかける普遍的なメッセージを発信し、その旗印として我々はこの活動を通じて「命の重さ」を、ペットに関わる多くの業種の方々、ならびにペットと接点を持っていない方々と共に考えていけるような活動にしていきたいと考えております。
目的
1.動物供養を通して、生命の尊厳を伝えていく最近では「命の重さ」を伝える機会が減ってきているように思われます。人間のお葬式にしても病院で亡くなった方をそのまま、葬儀ホールに搬送してしまうケースが多々見受けられます。現在では自宅で葬儀を執り行う方は全くいないと言っても過言ではないでしょう。
電話一本ですべて葬儀社が取り計らい、遺族親族が故人を送り出すという意気込みも薄れてきているのだと思われます。利便性が追求された結果、「心」が置き去りにされてしまったのかもしれません。
ペット葬儀に参列いたしますと、まだ幼い子供たちが必死に合掌し涙を流しながらペットを弔う姿を目にします。命の重みを感じて自然と流れ出た涙。このペット供養・葬儀の場を、命の尊厳を伝えていく機会と捉え広く世間へアピールしていきたいと考えています。
2.ペットを飼っている人、飼っていない人の双方が理解と強調を深める環境作り人間とペットの歴史は古く、紀元前のエジプト文明にまで遡ることができます。それほど人間とペットとは密接に結びついています。しかし、ペットを飼っていない人からすると、その温度差は歴然としています。ペット愛好家から見ればかわいいペットの鳴き声も、ペットを飼っていない人からすれば、騒音としか聞き入られない事も多々あるようです。
「因果応報」という言葉があります。過去の原因が現在の結果をもたらすという意味でありますが、将来ペットとのより良い関係を築き上げようとするならば、現在のペットを取り巻く環境を検証し、改善していかなくてはなりません。
この活動を通じてペットを飼っている人、飼っていない人の双方が理解と強調を深めていける環境作りに努めていきたいと考えています。