有識者よりコメントを頂きました。
2010年8月 ご法話
私たちは、毎日の生活の中でたくさんの人との関わりの中で生かされています。当然ながらたくさんの人との出逢いもあれば別離もあります。そんな中で人には色んなタイプがいるものだと気付かされます。そして私たちは、知らず知らずのうちによい人、わるい人と区別している自分があります。それでは皆さん少し考えてみて下さい。自分にとってよい人はどんな人でわるい人はどんな人ですか。一般的には、よい人とはこの私に対して優しく、また願い事頼まれ事を快く引き受けてくれたり・・・・。逆にわるい人は、この私に厳しかったり、考えが合わなかったり、気配りがなかったり・・・・、といったところでしょうか。つまりは自分にとって都合のよいわるいによって、よい人であったりわるい人だったりします。しかしよくよく考えてみると、本当によい人とは、この私が人生を歩む中で一緒に考え、時には歓喜にあふれる事もあれば、辛く、悲しみのうちに涙を流し共有してくれる人ではないでしょうか。そこには厳しさもあることでしょう。損か得か、儲かるかどうか、ばれるか否か、そこには打算はありません。この見返りを求めないこころを「布施(ダーナ)」といいます。特に“無財の七施”といって、誰にでもできる布施が7つあると教えています。
その7つとは、
1.人に優しい眼差しで接する布施
2.にこやかに人に接する布施
3.人に優しい言葉をかける布施
4.人に礼を尽くして接する布施
5.愛情のこもったこころで接する布施
6.人に座席を譲る布施
7.人をあたたかく家に迎える布施、です。人のつながりが希薄になった昨今、孤独感を味わうことが多くなってきたのではないでしょうか。そういう現代人のこころの支えとしてペットたちと一緒に暮らす方々が増えているのでしょう。そんなたくさんのいのちの支えによって私のいのちの存在があることに気づかなければなりません。少しでも仏さまのこころに触れながら、お互いが布施のこころに恵まれた日暮を実践してゆきたいものです。