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連載記事

有識者よりコメントを頂きました。

2010年9月 ご法話

「暑さ寒さも彼岸まで」と、昔から言われておりますが、今年の暑さときたら・・・。例年とは少し違うようですね。本当に秋が来るのか?と疑ってしまうほど、残暑の厳しい陽気となっております。炎天下の元へ出ると、容赦なく降り注ぐ日差しに、「ジリジリ」と肌の焼ける音さえ聞こえてきそうなほどです。子供の頃に経験してきた暑さとは、いささか違うような気がしますが、これも温暖化のせいなのでしょうか? 春のお彼岸は冬の厳しい寒さに耐え、温かい日差しに大地の芽生えを感じます。秋のお彼岸は厳しい残暑も和らぎ、澄んだ秋晴れの空と大地の恵みを味わう事が出来ます。移りゆく季節の中で、この時期が最も過ごしやすい陽気でもあります。 しかし、厳しい寒さと暑さがあるからこそ、過ごしやすいお彼岸の時期を実感できるのです。これが一年を通して、ずっと穏やかな気候であったとしたらどうでしょう?それでもきっと、わがままな私たちはそんな中でも少しの変化に気を取られて不平不満を言っているかもしれませんね。 人生も同じようなものではないでしょうか?楽しい時もあれば、ツライ時もあります。怒れる時もあれば、悲しい時だってあります。 朝目覚めて、夜眠るまでの短い時間であっても、私たちの心は刻一刻と移ろいゆくのです。仕事や学業、家事や育児に追われ、ストレスを溜めこみやすい社会だからこそ、一瞬でもいいから心の安らぎを得たいと誰もが思う事だと思います。 せめてお彼岸の時期だけでも、心穏やかに移ろいゆく季節を肌で感じ、大地の恵みに感謝する心の余裕や豊かさを持って過ごしたいものです。

倉橋了稔
動物供養協議会 寺院部会長
浄土宗願行寺住職
倉橋了稔
愛知県刈谷市半城土町乙本郷81
http://gangyouji.com


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