有識者よりコメントを頂きました。
2011年4月15日
「暑さ寒さも彼岸まで」と、昔から言われておりますが、今年の暑さときたら・・・。例年とは少し違うようですね。本当に秋が来るのか?と疑ってしまうほど、残暑の厳しい陽気となっております。炎天下の元へ出ると、容赦なく降り注ぐ日差しに、「ジリジリ」と肌の焼ける音さえ聞こえてきそうなほどです。子供の頃に経験してきた暑さとは、いささか違うような気がしますが、これも温暖化のせいなのでしょうか? 春のお彼岸は冬の厳しい寒さに耐え、温かい日差しに大地の芽生えを感じます。秋のお彼岸は厳しい残暑も和らぎ、澄んだ秋晴れの空と大地の恵みを味わう事が出来ます。移りゆく季節の中で、この時期が最も過ごしやすい陽気でもあります。 しかし、厳しい寒さと暑さがあるからこそ、過ごしやすいお彼岸の時期を実感できるのです。これが一年を通して、ずっと穏やかな気候であったとしたらどうでしょう?それでもきっと、わがままな私たちはそんな中でも少しの変化に気を取られて不平不満を言っているかもしれませんね。 人生も同じようなものではないでしょうか?楽しい時もあれば、ツライ時もあります。怒れる時もあれば、悲しい時だってあります。 朝目覚めて、夜眠るまでの短い時間であっても、私たちの心は刻一刻と移ろいゆくのです。仕事や学業、家事や育児に追われ、ストレスを溜めこみやすい社会だからこそ、一瞬でもいいから心の安らぎを得たいと誰もが思う事だと思います。 せめてお彼岸の時期だけでも、心穏やかに移ろいゆく季節を肌で感じ、大地の恵みに感謝する心の余裕や豊かさを持って過ごしたいものです。
そして私ごとですが、この業界に飛込んで8年目。協会同業者の方からみればハナタレです。しばらくは会社や商品企画をメインに担当してきましたので、なんとなく会社のPRから始めてしまいましたが、私個人的には今もそうですけど・・・石屋って胡散臭い感じがして安心感が無いというか、特に一見さんにはそう思われているのではなどと感じる時があります。そんな時に冒頭のお話をちらちらと混ぜながらお話をすると「あの工事もそうなんだァ」とか「あァ田中さんなんだね!」っていうことで、少し安心をして頂いたのかなと思えるのです。 安心と言えば、ここ何年も寺院墓地全体の墓石について耐震補強工事を数ヶ寺で行ってきました。「墓地の安全確保」を目指してお寺さんや檀家総代さんに協力頂き、なるべく多くの基数を施工させて頂くよう提案します。そうすることでより多くの墓参者に安全・安心を提供できると思うのです。墓石はもちろん大切な財産であり、ご先祖様を未来永劫お守りすることは大事なことです。しかし、子孫である我々が被害に合ってしまったらもうお守りすることやご供養することは出来ません。 3月11日に東日本大震災が発生しました。まさに同日、富士宮市のお寺に耐震墓石を檀家の皆さんに勧めようとご住職との打合せによりサンプル墓石を取り付けた日でした。そして、3月15日(夜10時過ぎ)に富士宮市に震度6強の地震が発生、そのお寺の墓石は半数以上が被害にあってしまいました。 2年前の8月11日(早朝5時過ぎ)震度5強の駿河湾沖地震が発生しました。この時も静岡市内にあるお寺の墓石全体の耐震工事を提案している最中でしたが、直後に即決したことは言うまでもありません。ちなみに、新潟中越地震の時は「免震墓石」の振動台最終実験を行い、特許申請を行った直後でした。偶然ですが、どういうわけか地震対策の仕事を行うたびにリアル地震が発生するのです。今も2ヶ寺で全体耐震工事が受注できそうなのですが・・・今年の夏頃は要注意!?(怖) 偶然といえば、富士宮も駿河湾沖の時も発生時間に墓参者がいなかったこと。さらに、それぞれ盆入り前日と彼岸入り前々日というタイミング、まさに不幸中の幸いでした。直接の人災が無かった事はホントに良かったのですが・・・偶然なんですよね。富士宮市の地震発生翌日、例のお寺の惨状を見ることが出来ました。斜めに倒れかけている竿石を避けるのですが、既に落下した石材が参道を塞ぎ、目指す墓石に最短距離で行けません。ようするに逃げ道がないのです。今ここで余震が起きたらとても軽傷で済みそうもありません。 安全確保にご理解頂いた住職の考えは正しかったのですが、タイミング遅かった・・・出会いがもう少し早ければと自分自身も悔やまれます。現在、一般的な工法による復旧作業が進んでいますが、今もご住職は耐震工事に対しやる気満々、安心・安全は偶然にはあり得ないのです。 ところで福島の原発事故、安全対策の手落ちも指摘されています。もはや想定外(偶然?)の津波ってことでは済まされません。今日も過酷な現場で命をかけ従事されている方々にただただ頭が下がる思いです。釣りが趣味の私にとって清水海釣公園のメガフロートが無くなってしまったことは非常に残念。でも、役に立つのであれば文句なし!一日も早く日本全土どこでも安心・安全に釣行できる環境になってほしいものです。